

ドローン測量の準備を進めていると、最近こんな話をよく耳にします。「これからはRTKドローンさえあればGCPは要らない」。魅力的な言葉です。広く険しい現場を回りながら地上基準点(GCP)を一つひとつ設置・測量・維持することがどれほど手間のかかる作業か、現場を知る方なら誰もがご存じだからです。しかし本当に、RTK一つでGCPを完全に代替できるのでしょうか。

本題に入る前に、位置補正に使われる三つの重要な概念をまず整理してみます。 ドローンが撮影した映像の座標を実際の地形と一致させる「位置補正」の方式は、大きく次のとおりです。

精度をおおまかに比較すると上記のとおりです。数字だけを見ればRTKが最も正確に見えますね。実際に信号が完璧な理想的条件、すなわちRTKが「Fix」状態を維持しているときはそのとおりです。ただしここで注目すべきは、「理想的条件」という前提です。
RTKがなぜ注目されているのかからまず押さえます。時間、コスト、安全のいずれで見ても、RTKがもたらす利点は確かです。問題は、ここからもう一歩踏み込んだときに現れます。
RTKの高い精度は、完璧な「信号条件」を前提とします。しかし現場の信号条件は毎回同じではありえません。これによりRTKだけを単独で運用するとき、次のような盲点が生じます。
メイサもまた現場でRTK技術を積極的に活用し、関連するデータ処理をすべてサポートしています。しかし現場のデータに責任を負う立場として、私たちは単に「RTKかGCPか」を二者択一するのではなく、RTKで効率を得て、少数のGCPでその結果を検証する組み合わせをお勧めしています。二つの補正法を併用したときに得られる効用は次のとおりです。

ここで重要なのは、GCPを以前のように現場全体へびっしり設置せよということではない、という点です。効率を活かすRTK運用に検証用の基準点を最小限だけ組み合わせること、これが精度と信頼度を同時に押さえる現実的な答えに近いものです。
精度は「検証」まで含む概念です。数字一つでは証明されにくいものです。検証されていない精度は、厳密に言えば精度ではなく期待値に近いものです。メイサがRTKとGCPの併用を勧める理由は単純です。現場で実際に信頼できるデータ、担当者が根拠として意思決定を下せるデータだけを提案するためです。言葉で成り立つことと、現場で成り立つことは違うのですから。
現在の現場条件に最も適した撮影および補正方式が気になる方は、いつでもお気軽にお問い合わせください。
Q. 導入部で言及されたPPK方式は現場でどのように活用されますか?RTKとどのような違いがありますか?
A. PPK(事後補正)はリアルタイム通信網に依存しないため、電波陰影が激しい山岳地形や海岸沿いの現場でRTKの優れた代替となります。リアルタイム通信が途切れても、撮影後にデータを補正して精度を高められるからです。ただしPPKもまた、ドローンの飛行軌跡を精密に捉える技術にすぎず、成果物が実際の地表面と一致するかを「検証」する独立した基準ではありません。したがって現場の通信条件に応じてRTKかPPKのうち有利な方式を選びつつ、少数のGCPを組み合わせて最終データを検証するという基本原則は同じように適用されます。
Q. 現場に自前の基準局(Base Station)を立てて信号を安定させれば、GCPなしでも完璧な測量が可能ではないですか?
A. 自前の基準局を設置すれば、ネットワークRTKに比べて通信遅延や途切れの問題は大きく改善されます。しかし、切土斜面や高層鉄骨構造物の周辺で電波が反射して生じる「マルチパス誤差(Multipath Error)」現象まで完璧に遮断することは困難です。機器上は受信状態が「Fix」と表示されても、実際の地形座標とは微妙にずれる可能性が存在するため、データの完全性を証明するための最小限の検証用GCPは依然として必要です。
Q. メイサが推奨する「少数のGCP」とは、具体的にどの程度の配置を意味しますか?
A. 過去のように現場全体を200〜300m間隔の碁盤の目のようにびっしり覆わなければならないという意味ではありません。RTK(またはPPK)が全体的な地形データの骨格を見事に捉えてくれるので、現場境界部を囲む外周点3〜4個と、地形変化が大きい中心部あるいは主要工程区間に1〜2個ほどのチェックポイントを置くだけで十分です。従来に比べて基準点設置の工数を80%以上削減しながらも、信頼できるデータを得られる効率的なセッティングです。
Q. 定期的にドローンを飛ばして出来高検測用の土工量を算出しようとしています。毎回GCPを新たに設置して測量しなければなりませんか?
A. いいえ。現場外周の堅固な地盤や、工事中に損なわれない構造物の上に、永久点(または長期保存が可能な標識)の形で少数のGCPを一度だけしっかり設置しておけば十分です。毎回次の撮影時にこの固定されたGCPを基準としてデータを整合すれば、天候や通信状態が異なっても時系列データが常に同じ軸の上に蓄積されます。これにより誤差を最小化し、発注者や監理団に提出する非常に一貫性のある正確な土工量算出根拠を確保できます。もし設置したGCPが失われたり、再設置とセッティングが必要な場合はメイサ側にご連絡いただければセッティングをお手伝いします。